ABテストとは、WebマーケティングにおけるCRO(Conversion Rate Optimization)の手法の一つです。
ABテストツールVWOの日本唯一のプレミアムパートナーとして、多くのクライアント様のCROに取り組んできたABテストのプロフェッショナルである我々アッションが、今回ABテストの概念・なぜ行う必要があるのか・実施する際のポイント等をまとめましたので、是非ご覧いただければと思います。
ABテストとは
ABテストとは、元のページに対して変更を加えたテストパターンを用意し、ユーザーをそれぞれのページに振り分けどちらがより高いCVRを得られるのかを検証するCROの手法です。
AとBの2パターンだけではなく、3パターン以上でテストすることもあります。
事例としては、2008年にオバマ大統領が活用して200 億円の資金を集めた例が有名です。
オバマ大統領らはA/Bテストを行い、資金寄付のCVRを40%も向上させました。
A/Bテストを実行しなければ140億円しか集まらなかった資金を、ABテストを行い効果の出たBパターンを採用した結果、60億円追加で資金を集めることが出来たという事例です。
なぜABテストを行う必要があるのか -少ない費用で効率的にCVを獲得-
ABテストは広告と違い、お金をかけずにCV数を増やしやすいです。
広告の場合は出稿量を増やすほど流入するユーザーが増えCV数が増加しますが、大きく出稿量を増やそうと思えばその分費用がかかるうえ、出稿量を増やすほど関心の低いユーザーも流入してくるために、CVRは低下し、CPA、ROASも悪化していきます。
A/Bテストの場合はページ内に変更を加えCVRを上昇させるため、広告の出稿量増加に比べ費用をかけずに効率よくCV数を増加させることができるため、高いROIが期待できます。
なぜABテストを行う必要があるのか -バケツの穴を塞ぎ機会損失を防ぐ–
どんなに広告の出稿量を増やしクリックが増加しても、受け皿となるサイト・ページ(バケツ)が穴だらけであればユーザーは穴から流れ落ちるだけです。
増加したトラフィックをしっかりとCVに転換するために、バケツの穴を塞ぎましょう。
しかも、水道の蛇口は開きっぱなしにしておくことはできませんが、一度塞いだバケツの穴はすぐにはまた開かないので、その効果は一定期間継続的に発揮されます。
なぜABテストを行う必要があるのか -リニューアルのリスクを回避する-
新しいUI設計や新しいコンテンツをテストをせずに全体反映(リニューアル)してしまうことは、影響がユーザーの100%に及ぶ可能性があります。
CVRが上昇する内容であれば良いですがCVRが低下する内容だった場合、その影響がユーザーの100%に及ぶことは大きな損害を生むリスクを孕みます。
A/Bテストでマイナーチェンジ(規模の小さい効果検証)を繰り返し勝ちパターンだけを本番反映することで、このリスクを半分以下に減らすことができます。
なぜABテストを行う必要があるのか -検証項目以外は同条件で比較する-
多くの方がやってしまう落とし穴です。
ページの変更の効果検証は、変更点以外は全て同じ条件で比較することが重要です。
以下のような要素が異なる状態で比較を行い、誤った判断をしてしまうクライアント様は意外にも多くいらっしゃいます。
・時期:セール期間・季節要因・曜日要因
・ユーザー種別:一時的な広告出稿量増加による見込みの薄いユーザーの流入
・流入チャネル:広告経由、自然検索、ダイレクト流入、
・経済変動や競合動向
例として、旅行系のサイトにおいて、2月にAパターン、3月にBパターンを走らせ3月の方が予約数が多かった場合、それはBパターンの効果が高かったからなのか、単にゴールデンウィークに近い3月に予約決定が集中しただけなのかは、判断が付きません。
例えばどんなABテストが出来るのか
ここまでABテストを行う重要性をお伝えしてきました。
では、ABテストで効果を出すために、具体的にどんなABテストが出来るのでしょうか。
数多く存在する中の一部ではありますが、ページ内の以下のような箇所は、テストを行うとインパクトが大きくなりやすいと言われます。

1.ファーストビュー
ABテストを行う際はまず、ファーストビューからテストしましょう。
ファーストビューは100%のユーザーが見る箇所であるため、インパクトが大きくなりやすいです。
ファーストビューはページの顔となるため、ファーストビューで与える印象によってその後のユーザーの行動に非常に大きな影響を与えます。
ページに訪れるユーザー像を予測し、そのユーザーが求める情報は何か、何を訴求すべきかを考えましょう。
信頼を醸成するために導入企業数などの実績情報、賞・セキュリティバッジ等を表示するなどは一般的です。
2.メインビジュアル
ファーストビューの一要素であることがほとんどですが、ユーザーのファーストインプレッションの大半を構成するのがメインビジュアルです。
どのようなコピーを用いるのか、どのような色を用いるのか、共感を誘うのか希望を見せるのか、実績数値を入れるのか写真を用いるのか、様々テストしてみる価値がある箇所になります。
3.CTAボタン
CTAとは「Call To Action(=行動喚起)」の略で、ユーザーに取ってもらいたい行動を示します。
CTAボタンとは、購入や申し込みなど、ユーザーに取ってもらいたい行動に移ってもらうボタンの事です。
CTAボタンはCVするうえで必ず押す必要のある箇所であるため、基本的にユーザーが発見しやすいようにすることが望ましいとされます。
色やサイズももちろんですが、行動しようと思わせるコピーであったり、配置する場所・数も重要です。
最近はボタン自体に動きを加えたり(例:浮かび上がらせる)、画面内に追従表示しておくことも一般的になっています。
4.見出し・ページタイトル
5.離脱導線