【ABテスト事例】レスポンシブサイトの罠~Vol.1 見えにくかった情報をさらに見えにくくしてしまった~
2020年8月28日

モバイルファースト」という言葉が出てきてからだいぶ経ちますが、皆さんはスマホユーザーに対してCRO、WEB改善をしっかり行えていますか。

最近レスポンシブサイトをよく見かけます。
しかし、PC用のページをそのままSP対応してしまったことで、画像や表が小さくて見難くなってしまっているケースがあるようです。

モバイルファーストと言われるこの時代、スマホユーザーに対してページやコンテンツが最適化されていないというのはもったいないと思いませんか?

今回ご紹介するのは、そんなレスポンシブページのコンテンツをスマホページに最適化しようとした結果、見せるべき情報を隠してしまい、かえって失敗してしまった事例となります。
読者の皆様はこの記事を参考に、同じような失敗をしないようにお気を付けください。

(尚、今回の事例の気付きから、次回フォローテストでは大幅に改善することができましたので、それに関しては次回の記事でご紹介します。)

目次

A/Bテスト改善を行った背景
└スマホで見たときに比較表の表示が小さくなってしまい見難い
 施策内容
 └スライド式にして比較表の文字を大きくすることに!
 結果
 └結果は完敗…分析すると興味深いデータが得られた
 考察
 └比較表なのに比較できていなかった?
ご質問やお問い合わせに関して

A/Bテスト改善を行った背景

旅行系サブスクリプション型サービスの有料会員登録を促すページで、スマホユーザーを対象に施策を実施しました。

<課題>

レスポンシブサイトでPC用のプラン比較表画像をスマホでも採用しているが、比較表の情報量が多く、テキストも小さいためスマホでは見にくい。

<仮説>

比較表をスマホでも見やすくすることで、CVRが改善されるのではないか。

施策内容

コーディングで比較表を作成。
フォントサイズを大きくし、スライドして比較表を見ることができるようにする。

元のパターン         テストパターン ※表が横にスライドできる

 

結果

テストパターン 負け(KGI改善率77.78%、統計的有意差15%)

今回は完敗でした。
しかし、計測データで興味深い結果を得ることができました。

考察

今回の施策によって、有料会員登録数自体は大幅に負けてしまったものの、比較表のタップ率は4倍の約60%のユーザーがタップしました。
しかし、その結果を言い換えれば、タップしなかった40%のユーザーは、比較することができなかったということです。
比較表をタップして能動的に情報を見ようとしないと、スライド部分の情報を得ることができません。

複数のプランがあれば、自分に合ったプランはどれか検討したいですよね。
元の比較表もピンチインしないと見えないくらい小さい画像ではありましたが、解読しようと思えばなんとか見えるくらいのものでした。
これは筆者にとって盲点でした。

比較表をスマホでも見やすくすることで、CVRが改善されるのではないか」
という仮説の基考えた「比較表を見やすくする」施策でしたが、
このデータからもわかる通り、そもそも情報を見れなく(隠)してしまったことがわかりました。

このデータと仮説を基に、スライド表示では表が見難いと感じたユーザーが一定いると仮定し、
今回の施策でスライドで見せていた情報を別の見せ方にすることで、プランの比較がしやすくなり、CVRが改善されるのではないか」といった新しい仮説を設計しました。

その検証の結果、この仮説を基に行ったフォロー施策は成功し、大幅な改善に繋げることができました。
フォロー施策の詳細はまた次の記事でご紹介します。

 次回の記事はこちら:【A/Bテスト事例】レスポンシブサイトの罠~Vol.2 その情報の見せ方は最適ですか?~

このように、重要なのはテストの勝敗だけを見ることではありません。

計測データを元に、何故勝ったのか・負けてしまったのかを細かく分析し、仮説を立て、次の検証を実施していくことがとても重要です。

アッション(現・SHIFT)ではPDCAサイクルをしっかり回していくコンサルティングサービスも提供しております。
もし、CRO・LPOに行き詰まっている、リソースが不足しているなどございましたら、お気軽にお問い合わせください。


関連記事

【ABテスト事例】鉄板施策はあるのか!?先入観がもたらした失敗事例について
【ABテスト事例】ニーズに合わせた導線設計でCVR212%改善!!
【ABテスト事例】負けたテストをそのままにしない!次の施策に繋げるための考え方


ご質問やお問合せに関して

お客様のCROのどんなお悩みでも我々アッション(現・SHIFT)はいつでもお力添えさせていただきますので、
小さなお悩みだったとしても、お気軽にご相談ください。

 

 

 

一覧へ戻る