【ABテスト事例】コンバージョン導線を思い切って削除!ユーザーの行動を制限したことでCVR137%改善!
2020年9月23日

ページにはCTAボタンなどCV(コンバージョン)への導線を設置していると思います。
では、CVへの導線を減らした時、CVR(コンバージョン率)にはどのような影響があると思いますか?

CV導線の数を減らすと、CVするための機会が減ってしまうため、CVRも悪化してしまうのでは?と考えられます。

しかし、そんなことはありません。
そのCV導線のページ内での役割や、ユーザーの行動を深掘りすることで、
CVR改善に繋がることもあります。

そこで今回は、CV導線の数を減らしたことでCVRの改善に成功した事例をお伝えします。

そもそも、なぜCV導線を減らすことを考えたのかも含めて解説していきますので、
是非、ご自身のサイトを見直す際のヒントにしてください。

目次

背景
└CV導線は2種類存在していた。ユーザー目線で見たときどちらを重要視すべきか?
 施策内容
 └ユーザーを迷わせないために思い切って片方のCV導線を削除
 結果
 └CVRの大幅改善に成功!
 考察
 └企業側で重要視しているものとユーザーの利便性の違い
ご質問やお問い合わせに関して

背景

<サイトについて>

自動車の買取申込サイトのLPです。

CV(予約完了)までの経路としては、Web・電話の2つの手段が存在しています。

こちらのサービスでは、予約完了のためには必ずオペレーターと電話で会話をする必要があります。
Web申込の後にオペレーターから電話をかけ直す必要があるWebCVに比べて、電話ボタンから電話をかけて予約完了をする電話CVは、ユーザーから直接電話がかかってくるためオペレーター側の工数の削減にもなります。
そのため、電話CVが特に重要視されていました。

<現状の課題>

電話CTAボタン(電話申込のボタン)のタップ率は高いものの、電話によるCVR(電話CTAボタンをタップた後に予約完了に繋がる確率)が低いことが課題として挙げられました。
 電話CTAボタンタップ率: 0.91%(ページ全体のタップのうち電話CTAボタンがタップされている率)
 電話によるCVR: 0.01%
 電話CTAボタンをタップしたうち、予約完了に繋がった確率: 1.47%

 WebCTAボタンタップ率: 1.12%
 WebによるCVR: 0.25%
 WebCTAボタンをタップしたうち、予約完了に繋がった確率: 22.08%

このように、電話CTAボタンをタップしたにも関わらず、CV(予約完了)に至らないユーザーがとても多く存在していました。
電話がかかってきたのに予約完了に繋がらないとなると、電話応対をするオペレーターの工数が無駄にかかってしまいます。
そこで、まず「電話CTAボタンタップからの電話CVRを上げるにはどうすべきか?」
という視点で考え始めました。

このページを使うユーザーの属性を把握するため、過去の施策結果からこのLPを見ているユーザーがどのような傾向にあるのかを考察します。
このLPは、リマーケティング広告経由で流入してくるユーザーがとても多いことが事前のデータからわかっていました。
広告経由の流入ということは、自分の意思で検索をして訪問しているユーザーではないため、少しのギャップで離脱してしまう可能性が非常に高いと考えられます。
つまり、そもそも電話をかけてまで問い合わせをしてくるほどの高いモチベーションをもったユーザーは、この対象ページには少ないと推測することができました。
そうなると、「電話CTAボタンタップから電話CVRを上げるにはどうすべきか?」という視点で考えることは、あまり効果的ではないように思えます。

そこで、上記のユーザー傾向を元に、視点を変えて考えてみました。
CVしようとしているユーザーにとって、電話CTAボタンの存在が気を散らす原因になっているのではないかと仮説を立てていきました。

<仮説>

CVに繋がらない電話CTAボタンタップが多数発生していることから、
電話CTAボタンがあることで選択を迷わせてしまっているのではないか

施策内容

LP内の電話CTAボタンを削除し、電話からのCVという選択肢を排除

元のパターン           テストパターン

 

結果

ページ全体のCVR(WebCV・電話CVどちらも含む): 137.50% 改善

WebによるCVR: 143.39%改善

元パターンではCV導線がWebCV・電話CVの2種類存在しているにも関わらず、
WebCVのみに絞ったテストパターンの方が137.50%も多くCVに繋がっています。
また、WebCVのみで比較すると、143.39%もの改善に成功しました。

考察

電話CTAボタンが選択を迷わせる原因であるならば、電話CTAボタンを削除してみようと考えて実施した、少し思い切った施策でした。
仮説通り、電話CTAボタンを削除したことでユーザーの行動に迷いがなくなり、CVRが上昇しました。

その他KPIのデータを見ると、最初の入力項目の入力率も上昇し(115.99%)、加えて、Web申込から電話に繋がる率も改善しました(127.07%)。
このことから、モチベーションがそこまで高くないユーザーにとって電話CTAボタンはかえって行動に迷いを持たせるものであったことがわかりました。

今まではサービスの性質上、電話CVを重要視していたために視認性の高い電話CTAボタンを配置していました。
しかし、電話CVという選択肢を削除したことで、WebCVに選択が絞られ、項目の入力率や転換率が上昇したと考えられます。

もし、最終CVに至らないCTAボタンクリックが多いと感じたら、ユーザーの行動や傾向を深掘りしてみてはいかがでしょうか。


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